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たべもの

2022-01-31
新年を迎え、はや1ヶ月が過ぎようとしています。
前回のブログでも触れました通り、令和4年初頭の
経済情報といえば様々な物の値上がり情報一色です。
 
そのような情報に聞きなれた日常、昨年末に見た
ある記事を思い起こしました。
 
 
中国の食糧の買い集めが加速している…との記事。
 
「主要穀物の世界在庫量の過半が、世界人口二割に満たない
中国に積みあがっている」といった内容です。
 
 
買い集めの真意は、14億自国民の安全な食糧供給の担保なのか、
はたまた現在の食料価格変動の一因を引き起こすような経済的
な視点により行われているのか、またその両方なのかと色々考え
ますが、ともあれやる事が大胆だなと思います。
 
 
そのような事を考えていると、以前読んだ一冊(上中下巻)の
本が頭をよぎりました。
 
司馬遼太郎さんの小説「項羽と劉邦」
 
中国秦滅亡から劉邦が項羽との戦いに勝利を収め漢王朝(前漢)
を打ち立てるまでの歴史を記した、司馬遼太郎さんの歴史観
を交えた小説(フィクション)ですが、作者が歴史を調べあげ、
その時何が行われていたのかという事に想像を張り巡らせた
司馬遼太郎さんの小説は臨場感にあふれ、読みだすとついつい
時間を忘れてしまう小説です。
 
その中に何度も描かれていたことは、
人は食べる為に戦ったという事です。
 
武将として劉邦よりも非凡な才をもつ項羽の敗因について、
項羽と劉邦の人間性について多く描かれていましたが、
食料についての考え方にも言及されていました。
 
私達の生きる現代、争いの原因は多岐にわたります。
資源(化石燃料)の確保、政権への反発、民族・宗教問題、
領土問題など様々な争いの火種を聞き及ぶことがあります。
 
ただ不思議なことに、人間の争いの根幹であった生きて行く
上で大切な食に対し、大きな争いや危機感を覚えること自体、
私達日本人は少ないように思います。
 
産業革命以降、資源(化石燃料)と共存してきた人間は
便利で豊かになって行く為の資源を盲目的に追いかけ、
争いの火種になる位置づけまでにしてしまいます。
 
そのような昨今、日本では地球温暖化対策やエネルギー
自給率向上の為、化石燃料から脱却し再生可能エネルギーの
導入に力を注いでいます。
実現できれば、エネルギー供給環境は大きく変わり、
争いの火種から少し距離を置けるかもしれません。
 
しかしながら、どうしても技術だけでは補えないものが
やはり「たべもの」
狭く急峻な国土をもち、多くの人口を抱える日本では、
歴史上争いの根幹となった食料だけは、自給率の向上を
望みにくい問題にあります。
 
そのような中、中国では広大な国土をもち
食料自給率に関し現状高い自給率にもかかわらず、
(今後の問題点はあるにせよ・・・)
食料の買い集めに余念がありません。
 
現在、先進国の中で食糧問題を気候変動とあわせて議論
する事はあっても、それ自体大きく取り扱う事を目にする
事は少ないように思います。
 
 
豊かになった現代でも、生きる為に一番必要なものは、
スマホではなく食料。
 
 
昨年の記事を思い起こし、小説「項羽と劉邦」が頭をよぎり
現在飽食の時代、今後「たべもの」で争う事だけはないように、
「たべもの」の値上がりから考えさせられます。
 
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