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読書の秋

2023-09-08
9月。
虫の鳴き声も様変わり。
 
日中はまだまだ残暑に悪戦苦闘の毎日ですが、
夜になると随分と涼しさを感じるようになりました。
 
夜、肌に感じる涼風と、虫の音を拾うこの時期は、
暦を見ずとも、秋の訪れを感じます。
 
一年の中でも過ごしやすく、秋の夜長といわれる
この時期は、仕事も終わるとゆっくり夜を過ごせる
よい季節。
 
そしてこの季節、
つい耽ってしまうのが読書です。
 
読書の秋といわれる由縁は、この過ごしやすさに
一人で耽る、静かな時間の心地よさが結びついて
いるのでしょう。
 
私もお気に入りの本をつい一気読みしてしまい、
内容をすっかりおいてけぼりにしてしまう(´;ω;`)
事もある今日この頃なのですが、ひとつ面白かったと
思う本をご紹介したいと思います。
 
 
垣根涼介さん著の「極楽征夷大将軍」
 
室町幕府を起こした足利尊氏を題材にした
歴史小説です。
 
 
この著書を知る前は、起きた室町幕府というより
滅びた室町幕府という印象が強く、日本史上
力強く煌びやかな戦国武将が、数多く現れた
安土桃山時代の前史くらいにしか思っていなかった
のですが、詳細に読み進めて行くと、鎌倉幕府の
衰退から朝廷復権への画策。
そして時代の変革期に居合わせた足利尊氏・直義
兄弟の歩み。
 
複雑に絡み合った鎌倉幕府の終焉から、新たな世が
出来上がる過程は、他の時代に勝るとも劣らない
人間模様の歴史であり、かつその事を非常に
分かりやすく教えてくれる名著でした。
 
そして歴史小説にとって大切な、読み手を魅了する
登場人物の細やかな人物像や、その時代起きた事の
背景の筋立ては、フィクションと分かってはいても、
唸るものがありました。
 
本書では、優秀な弟「直義」に残念な兄「尊氏」といった
描写で、こっけいに描かれていますが、尊氏の時折見せる
物事の本質を見極め時流に逆らわないといった部分での
大局観はさすがでした・・・が、
 
著書のキャッチフレーズにもある
 
「やる気なし」「使命感なし」「執着なし」
 
自他ともに認める尊氏の極楽殿ぶりには、
歴史小説であまり笑う事のない私でも、何度も
笑わせてもらった内容でした。
 
本書は直木賞受賞作なのですが、私がこの本を
手にしたのは受賞作だからというわけではなく、
あわただしい毎日から距離をおけるような、
 
「やる気なし」「使命感なし」「執着なし」
 
この3つのフレーズが、妙に胸にささり
本書を手に取るにいたりました。
 
本書は小説なので、あくまでもフィクションです。
 
しかし、史実とされている発端Aと結末Bを置いた時
その途中に何が起こったかを筆者が想像し、読み手に
納得させながら、面白く伝えるのが歴史小説の醍醐味
だとすると、「その時何が起こり・人々がどう関わり
見せた表情に吐露する心情・そしてどういった行動に
至った」かが、妙に心に落ちる「極楽征夷大将軍」
 
何を持って「優秀」なのか、何を持たずして「残念」
なのかは時と場合により変わり、そして立場の違う人
からの見方によって大きく変わります。
 
そのような教わりも、歴史小説特有の堅苦しさ
だけでなく、面白可笑しく描かれている本書。
 
室町幕府はおよそ240年続いた政権です。
 
ただ、室町幕府は幕府成り立ちの経緯から見ても
終始政権運営が安定しなかった幕府と評価されています。
 
その幕府の祖となる足利尊氏。
 
終始安定した江戸幕府を残すことに成功した
徳川家康との違いを探りながら読み進めてみる
のも面白いと思います。
 
(ただ、私的に本書の主人公は尊氏ではないと思います。
ぜひ皆さんも垣根ワールドを感じてみてください。)
 
秋の夜長にぴったりな垣根介さんの歴史小説。
・・・!面白いです!・・・
 
最後になりますが、次は大河ドラマで、大泉洋さんの
「尊氏」を見てみたいと思う今日この頃です。
 
(大泉洋さんのキャラに、これまたピッタリなんです(^^))
 
 
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