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フィクションから学ぶ発想
2019-08-19
夏期休暇中、映画「アルキメデスの大戦」を見に行きました。
内容は、主役の天才数学者が戦艦大和の建造を止める為、軍部の建造推進派に数学をもって挑むという、史実を参考にしたフィクション映画です。
フィクションですので、登場人物や内容は架空のものですが、史実を参考にしているためか、妙にリアリティーがあり、大変面白い作品でした。
さて、史実では戦艦大和の建造は成されていますし、劇中でも結局建造されるに至ります。
ということは、主役の天才数学者は、敗れたわけです。主役が敗れると、日本人はすっきりしません。そして最後は建造を手伝う立場となりました。
なにが、こういうストーリーにさせたのでしょうか?
天才数学者の主役は、戦艦大和のようなものが出来上がってしまうと、日露戦争の余韻冷めやらぬ日本が、戦争へ向かってしまうのを止めたいという立場でした。
片や大鑑主砲主義で建造推進派の海軍は、大和建造により、強さを鼓舞する立場です。
当然映画ですので、主役は、数学の力で一度は推進派を破り、建造を止めるにいたりました。
しかし後日、推進派の識者が主役に語りました。戦艦大和は、始まった戦いを止める為に必ず必要だと。日本の象徴となる世界最大の豪華絢爛な大和が、戦争で沈められることによって、日本人の戦意は喪失し、戦いに終止符が打てるようになると説いたのです。
建造推進派が主張していた、本来の意図とは全く逆の考えでした。
当時、戦争への道は止められないと考えていた人間の、戦争終結を見据えたストーリーとなっていたのです。そして、この言葉を聞いた主役は、建造への道を手伝う立場へと変わっていきました。
今回の話は戦争という大きなものを題材にしていますが、普段の私たちの生活や仕事においても、1つの事案に対し、さまざまな議論や検討がなされているのは日常茶飯事だろうと思います。しかし、ものの見方や考え方、アプローチの仕方などにより、一つの事案に対しての性質は全く異なるものになる事を教えられた気がします。
アルキメデスの大戦、色々な意味で大変面白い映画ですよ(^―^* )